やりたい・将来・アートディレクター

アートディレクターとは?

「アートディレクターとは、何をする人ですか?」と聞かれ、すぐに答えられますか?例えばデザイナーというと、誰でもがデザインをする人であると知っています。しかし、アートディレクターと聞いただけで何をする人か知っている人は1000人中1人いればよい方ではないでしょうか?アートディレクターはそれだけ認知度が低いといえます。欧米の方だとかなり認知度は高いのですが、ここ日本ではほとんど知られていないようです。まず、アートディレクター(Art Director)とは、美術表現、芸術表現をもちいた総合演出を手がける職務を意味します。商業活動のなかでは、広告、宣伝、グラフィックデザイン、装幀などにおいて、主に視覚的表現手段を計画し、総括、監督する職務であるといえます。アートディレクターは、顧客の依頼・要望あるいは、立案された計画を目的達成するための素材や表現方法を模索し、決定します。例えば、写真の風合いや対象、文字の書体や位置、色彩の組み合わせなどを考えます。実際に手を動かして作業する人間はデザイナーで、アートディレクター兼デザイナーという表現をすることもあります。また、各種美術展・作品展の企画・立案・運営を専門的に行う職務でもあります。

アートディレクターの歴史

アートディレクターの歴史について簡単に説明します。アートディレクターは、古くはもともとアメリカで生まれました。そして、1920年「ニューヨーク・アートディレクターズクラブ」という協会が設立されました。しかし、日本では広告代理店というものが社会に浸透しはじめたのが1950年代の戦後の混乱期頃からで、そして日本の近代広告の始まりであると言われています。日本にある「東京アートディレクターズクラブ」が設立されたのが1952年なので、アメリカの歴史に比べると日本は30年以上もの長い長い開きがあります。1950~1960年代にはグラフィックデザイナーが脚光を浴びブームになり、その頃グラフィックデザイナーたちはアートディレクターを意識しはじめました。そして、戦争が終わり日本では高度成長期に入り、新聞や雑誌などの強力な広告メディア(広告媒体)も再開され、活躍できる環境も揃って行き、1960年代にアートディレクターが重要視されはじめ、その頃からアートディレクターという存在が確立されて行きました。

アートディレクターの仕事

アートディレクターの仕事は、あらゆるイラストレーション、写真、ロゴタイプ(合成文字)、手書き文字などの総称、もしくはそれら全体のレイアウトを指します。(ここでいうアートとは、広告作品のなかで類型化された植字などを除きます)。これら諸要素を有機的に結合し、美的に整序して、訴求効果のある広告づくりを監督するのがアート・ディレクターの仕事です。具体的にはコピーライター、フォトグラファー、イラストレーター、レイアウトマンなどのスタッフと共同で作業し、彼らの仕事を指揮、調整して、ユニークで統一あるビジュアライゼーション(視覚化)を実現します。ビジュアル(アート)をディレクションするアートディレクターは、アート系(美術系)の出身者で、たいていはグラフィックデザイナーを経てなることが多いです。

アートディレクターとアーティストの違い

アートディレクターは広告ビジネスのテリトリーに属する人なので、自由なクリエイティブ性は必要ですが、アーティストとは違います。アーティストは自分の想うまま好き勝手に気ままに作品を作りますが、アートディレクターは広告ビジネスであることが前提ですから、自分勝手なわがままなことは許されません。広告主(クライアント)のブランド・アイデンティティーや伝えたいメッセージ(イメージ)を様々なメディア(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)を通して消費者へ効果的に伝えなければなりません。

広告とアートディレクター

アートディレクターの仕事は、極端に言えばクライアントが希望する通りのメッセージを活字や広告にすればいいのですが、今の時代広告は世の中に氾濫していますので消費者の気を引き、目に止めさせ、じっくりと見させることは容易ではありません。例えば新聞や雑誌を例にあげると、わざわざ広告を見るが為に新聞や雑誌を購入する人はほとんどいません。それに雑誌の中には沢山の広告が盛り込まれているので、読者のページをめくる手を止めさせるのは難しいことです。ニュースや特集記事などは、情報として誰もが欲しがり、コラムや小説などは興味がある人はだいたい読んでくれます。しかし、広告を積極的に見ようとする人は広告業界の関係者ぐらいで、一般的な消費者はほとんど見ないと考えてもよいでしょう。このように、「広告を作る」ということは大変難しいのです。このようにアート・ディレクターは広告のクリエーティビティ(創造性)にもっとも深くかかわるので、アーチストとしての資質はもとより、広告人としての豊富な知識と経験をもち、さまざまな要請にこたえうる人材でないと十分な役割は果たせなません。

アートディレクターの必要性

広告は消費者に伝えたいイメージをより伝えやすくする為に、興味を持ってもらう為に加工しなければなりません。そして、人目を引くには「ビジュアル」や「アート」の表現技術を駆使し、目立たせなければなりません。すなわち、アート・ディレクターは、まず、広告主企業の特性、広告商品の特長、そのターゲットたる市場の動向、訴求対象たる消費者グループの価値観と欲望、彼らの流行や消費性向などを的確に把握する必要があります。ついで広告主の販売政策、コミュニケーション目標を理解し、これをもっとも効果的に達成するための表現コンセプトを打ち立てなければなりません。これは具体的な表現のためのアイデアやキー・ワードを見つけ出すことで、他の競合広告とは明らかに差別化されたユニークなものでなければ意味がありません。こうした判断力、独創力に加えて、スタッフのクリエーティブ・ワークを効率よく進めるための指導力、統率力が要請されます。その為には、広告のプロ「アートディレクター」が必要になるのです。

広告作成

広告制作の仕事は、アートディレクターが中心になり、あとコピーライターやプランナー、そしてグラフィックデザイナー、フォトグラファーというようにチームで制作を行うことが多いです。簡単に言えばアートディレクターは現場監督みたいなものです。アート・ディレクターは広告制作の上できわめて重要な位置を占め、多彩な能力を発揮しますが、企業間の組織の差異や共同作業の規模の大小によって、その役割はかならずしも一様ではありません。これは、日本とアメリカのアート・ディレクターを比べてみても同様です。なお、広告以外の分野でも、写真集や美術書などビジュアルな出版物が増え、アート・ディレクターの仕事の広がりと役割の重要性が増しています。

グラフィックデザイナー(英: graphic designer)

グラフィックデザイナーとは、グラフィックデザインやグラフィック・アートの領域にあって画像、タイポグラフィ、モーション・グラフィックスなどを組み合わせてデザイン作品を制作するデザイナーのことです。グラフィックデザイナーの中心的な任務は、情報を身近で記憶に残る形で伝えることです。パンフレットや広告のような出版・印刷される媒体、もしくは電子的な媒体のためのグラフィックを主に作成します。アートディレクター、エディトリアルデザイナー、写真家などを兼ねることも多く、組版、イラストレーション、ユーザインターフェース、ウェブデザインなども担当する場合がありますが、専門職に委ねられる場合もあります。また、後進の教育に携わる人もいます。

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